ども!ぴーすけ(@psuke_firstdoor)です。まだ見ぬ不動産の扉を開けたくて、このブログを始めました。2017年から賃貸経営・不動産投資を始めて、正しい知識と考え方でやれば、勝率高く取り組めることを実感する日々です。そのためにも、常に勉強!今回の記事では、その一端をシェアしたいと思います。良かったら、お付き合い下さい。
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東京都目黒区に狭小アパートを新築して、2020年4月から運営し始めました。その後、コロナ禍の影響を受けて、全10室のうち1室だけ退去が発生しました。今だと客付け難しいのでは?と心配して、色々と手を打っていたのですが、無事に入居者が決まりました。前入居者の早期解約違約金と合わせると、家賃の0.5ヶ月分くらいは収支プラスになり、結果オーライです。が、これからの見通しは相当に厳しく見ています。今回の記事では、そうした中で考えてることを書きたいと思います。幅広く、アパートオーナーさんにとって参考になれば嬉しいです。
アパートメーカーに依頼することの宿命!?「競合物件の林立」
目黒区に所有するアパートは、スピリタス社の提供するQUQURIというブランドの、木造狭小物件です。一室当たりの床面積を、ロフトを含めて13平米と狭く設計する代わりに、賃料を周辺相場よりも1~2割低く設定して入居者に還元できる点が特徴です。戸数を多く確保できる分、収益性も向上してオーナーにとってもメリットがある、という企画です。これまで100棟弱の供給実績があり、いずれも最寄駅から徒歩10分以内に立地しています。
十分な利回りを確保でき、想定される入居者である若者が「住みたい」と思えるエリアは、23区内でも限定されます。必然的に、自身の物件の周辺にもスピリタス社のQUQURIが林立することとなります。実際、同じ目黒区内だけでも、同社の狭小アパートは10棟弱存在します。特にコロナ禍前の2019年、少し土地の取得がし易かった時期に仕込んだと思われるものが数棟あり、今後は物件同士が凌ぎを削る未来が予想されます。

アパートメーカーも商売ですから、常に新しい建物を販売し続けることでしか大きな儲けは得られません。そのことを踏まえて考えると、近隣エリアに存在する競合物件はアパートメーカーと組んで不動産投資・賃貸経営を行う上で避けては通れない課題と言えます。
この点は実際、取り組みを始める前の段階で既に認識していました。ただ、「スピリタス社が立地の選定にこだわっていること」、「QUQURIの企画に合致する、1.5億円以上の融資が引けるオーナーが限られること」から、急激に供給数が増えないだろうと見込み、当面は需要が供給を上回るだろうとの見立てがありました。
リモートワーク奨励と地方創生は都心の不動産投資家への逆風?
ところが、2020年に入って、雲行きが怪しくなってきました。要因の1つは、言うまでもなくコロナ禍です。
リモートワークが推奨され、自宅でのZoomミーティングが増えることで、狭小木造アパートが抱える「防音性・遮音性の弱さ」を浮き彫りにする恐れがあります。加えて、「利便性を重視する代わりに広さを捨てる」発想も、こうしたトレンド下ではネガティブな影響を及ぼします。
また、安倍総理の辞任に伴って、従来から地方重視の姿勢を打ち出していた菅氏が自民党総裁選での勝利を確実にしていることも、(狭小オーナーのみならず)都心の不動産投資家・賃貸経営者にとっての懸念材料となり得ます。元より、コロナ禍で「これからは地方都市移住」というムードが醸し出されている中にあって、実際に後押しする政策が増えるようだと、都心へのニーズ(需要)自体が先細って、賃貸物件が供給過多になる恐れがあることは否めません。
実際、今年の6月・7月に竣工した都心の新築アパートについては、駅から徒歩10分以内に立地している場合でも、初期の客付けに苦戦していました。毎日LIFULL HOME’Sで新着物件の動向をチェックしていると、「この条件で1週間も決まらないのか」と思わされる募集も少なからず目につきました。
狭小アパートの生き残り戦略とは?カギは原点回帰の顧客志向
一方で、ポジティブな要因もあります。具体的な数値は失念しましたが、9/1(火)放送のボンビーガールによれば、ここにきてコロナ禍で引越しを見合わせていた人たちの動きが急激に活発化しているとのこと。これは確かに実感としてあります。
加えて、これは全くの偶然でしたが、スピリタス社に関する不正が20年4月頃に報じられたことで、同社が新たな案件に取り組めなくなっている現状も、結果としてプラスに働いています。QUQURIは他の木造アパートに比べて工期が長く、半年以上かかるのが平均です。となると、土地の選定やオーナー探し、金融機関との融資取りまとめなどを含めると、最長で向こう2年間くらいは新たなライバル物件が生まれない可能性があります。
では、そうした中で都心狭小アパートのオーナーは何を考えて、何をすれば良いのか?
面白みに欠けますが、入居者のニーズを満たすことに尽きるというのが僕の回答です。
1つ、興味深いデータがあります。アットホームの調査によると、若者150人のうち、「ミニマリストになりたい」と考える人の割合は全体の約40%に昇るとのこと。リサーチの信憑性としてはギリギリのところですが、ひとまず信じられるデータと仮定すれば、狭小アパートのオーナーとして活路が見えてきます。
すなわち、ミニマリスト目線を大切にすること。都心駅から近くて家賃も格安な「代わりに狭い」。これだと、お客さんの心情としては少しマイナスです。一方で、「」部分を「しかも狭いから、念願のミニマリストになれる」とすれば、すべての要素がプラスになります。これを募集の文言などに盛り込んで反響があるか?、これから見ていくのが楽しみです。
その他の生き残り戦略としてやれるは、恐らく地道な積み重ねです。
- 物件の価値を理解して客付けしてくれる仲介会社を大切にする
- 修繕積立金をストックして設備のアップデートを図る
- 節目には入居者さんへ還元する
etc。
現状、競合するQUQURIのオーナーは、医師や経営者などの高額所得者が多いイメージです。中には、いわゆる一法人一物件スキームに取り組んでいると思われる方もちらほら。となると、恐らく最も興味を抱いているのは儲けの部分で、賃貸経営に対する興味関心が薄いことが予想されます。であれば、こちらが本気で賃貸経営をやるぞ!と創意工夫していけば、「QUQURIは沢山あるけど、あそこは一味違うよね」と言って貰える可能性があります。ひとまず目指すは、そうした状態。
そこまで最善を尽くして客付けできない場合、取れる選択肢は「賃料値下げ」くらいでしょう。そうなってしまったら、借入金の返済額などと睨めっこして、どこかで「売却」の判断を下す日が来るかもしれません。ワーストシナリオの想定も大切です。
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今回は、コロナ禍で自身の所有する狭小アパートで起こっていることを棚卸しつつ、不動産投資家がアパートメーカーに依頼を行う際に、予め知っておきたい課題を取り上げてみました。
それでは、今回はここまで。また書きますね!